Electric Trike Project

コリンズエモーションは、「株式会社ナガオカ製作所」が行った電動トライクの試作に
電気系、ファームフェア系のスタッフとして参加させていただきました。
コンセプトは、”世界に1台、自分だけのカスタムビークル”です。

Eトライク部品調達

1.駆動系パーツの調達

インホイールモーター(ブラシレス)、モーターコントローラー、バッテリーチャージャー、DC/DCコンバーター等は海外から調達しました。
量産では専用品開発がベターですが、現在は中国を中心に安価なパーツがいろいろな会社からリリースされていますので、 技術力や信用性などに配慮しながら試作用デバイスを探しました。
今回は、多くのパーツをKelly Controls社から調達しました。
アマチュアによるEV製作ではKTA Services社 が人気ですが、同社のラインナップはブラシモーター系が主流です。
モーターコントローラーに限れば、Curtis Instruments社 が実績豊富で日本にもオフィスがあります。

駆動系の実験

2.駆動系の実験

簡単なベンチを作り、モーターやモーターコントローラーを接続して基本的な動きや、フィーリングを確認しながら 車両の設計を進めます。
 
モーターコントローラーは、アクセルやブレーキなど操作系とのマッチングや、電流/電圧制御、回生機能など多様なセッティング が可能ですので、パソコンを接続してベンチで回しながら大まかな設定をしておきます。

シャーシー

3.シャーシー

製作したシャシーにパーツを組み込んで行きます。
ハンドル周辺が複雑ですが、これはコーナーリング時にフロント2輪が傾斜することや、 低速走行時にその傾斜を制御する機構を搭載しているためです。 今回は充放電特性が優れた鉛バッテリー4個を搭載しました。中央の低い位置にレイアウトした事が車両の安定感に大きく寄与しています。

線材 弊社の経験では多くの手作りEVが、加速時や登坂時のモーターコントローラのエラーに悩まされていますが、 原因は電源配線の抵抗です。 例えば0.05Ωの抵抗値なら、瞬間でも100A流れれば5Vの電圧降下を起こしますので太い線材は必須です。

制御系の試作

4.制御系の試作

制御系の試作は、さまざまな可能性に配慮して、できるだけ多くの入出力機能を設けました。

メーター部 速度信号によるフロントアクスル傾斜機構の制御、 スピード・電圧・電流・温度監視などのメーター系の処理が主になっています。 メーター部には自由度の高いデジタル表示に加えて、大型の指針式スピードメーターも設けました。 指針はサーボモーターで動かしています。 歩行者の安全に配慮し、低速走行時はスピードに応じて変化する疑似エンジン音を発します。

初走行

5.初走行

初走行は驚くほどスムーズ。3kwのインホイールモーターはトルクフルで70km/h以上までストレス無く一気に加速します。
 
心配していたフロントアクスルの動きもまずまずで、長岡社長の顔もほころびがちです。

ボディ製作

6.ボディ製作

ボディカバーやカウリングは、実車に合わせて専門家に手作りしていただきました。
 
フロントカウルはバイク用のものを中央でカットし幅を広げましたので、 ヘッドライトやウィンカーランプなどがそのまま流用できました。 シールドはスクーター用の大きめのものをカットしました。

テスト走行

7.テスト走行

公道走行の為のナンバー取得を目指し、会社の駐車場をクローズして走行試験を行いました。
 
ボディのカラーリングも終わり、かなり目立つ存在です。

ナンバー取得

8.ナンバー取得

無事にナンバーが交付されました(250cc中型クラス)。
これから航続距離確認などを行う予定です。


 

開発者:株式会社ナガオカ製作所
機構系スタッフ:あさま考房
マネジメントスタッフ:あさまマネジメント
電気系、ファームウェア系スタッフ:コリンズエモーション
海外調達:コリンズエモーションAIIC部